サーバー・ドメイン・メール

サーバー移行後にサイトの表示が崩れる原因と直し方【WordPress引っ越しの確認手順】

レンタルサーバーを移行したらWordPressサイトのレイアウトが崩れた、画像が出ない、個別記事が404になる人向けに、原因を順番に切り分ける確認手順を解説します。旧URLの残り、httpsとhttpの混在、パーマリンク、PHPバージョン、キャッシュの違いを初心者向けに整理します。

レンタルサーバーの移行作業を終えてサイトを開いたら、文字だけが縦に並んでレイアウトが崩れている。画像が表示されない。トップページは見えるのに、個別の記事を開くと404になる。データの移行そのものは成功しているように見えるのに表示だけがおかしいと、どこから直せばいいのか分かりにくいものです。

ただ、移行した直後の表示崩れは、それほど珍しいものではありません。多くの人が一度は通る道で、原因もおおむね決まっています。そして何より、引っ越し前の旧サーバーさえ残しておけば、たいていの崩れは落ち着いて元に戻せます。むしろ気をつけたいのは、直る前に旧サーバーを解約してしまうことです。戻れる場所をなくすと、小さな崩れが一気に大ごとになりかねません。この記事では、その「戻れる状態」を保ったまま、症状から原因を見極めて直す流れで進めます。

まず確認: それは本当に「崩れている」のか

直しはじめる前に、本番の独自ドメインで見て崩れているのかを確かめてください。移行先が用意する「確認用URL」(本番ドメインに切り替える前に表示を試す一時的なURL)で見ている場合、CSSや画像のパスが一時URLと噛み合わず、崩れて見えることがあります。この種の崩れは、ドメインを本番へ切り替えると直る場合があります。

一方で、本番ドメインに切り替えたあとも崩れているなら、移行の取りこぼしが原因です。

ここで一つ気をつけたいのは、いきなり設定をあちこち触らないことです。移行後の崩れは、症状を見るだけで原因の見当がつくことがほとんどです。手当たり次第に変えてしまうと、どの操作で直った(あるいは悪化した)のかが分からなくなり、かえって遠回りになります。まずは次の表で当たりをつけ、必要な確認だけを、旧サーバーという退路を残したまま一つずつ進めていきます。

症状主に疑う原因
サイトは開くがレイアウトが崩れ、CSSが当たっていないサイト内に残った旧URL、またはhttpsとhttpの混在
記事内の画像やアイキャッチだけ表示されない画像ファイルの移行漏れ、または画像URLが旧サーバーのまま
トップは見えるが個別記事を開くと404になるパーマリンク(リライト設定)の未反映
真っ白な画面になる、特定の機能だけ動かない移行先のPHPバージョン違いでプラグインやテーマがエラー
確認用URLでは崩れるが、本番ドメインなら直りそう一時URLとサイトURLの不一致(切り替え後に解消することが多い)
直したはずなのに古い表示のまま変わらないブラウザ・キャッシュ系プラグイン・CDNのキャッシュ
はじめ

WordPressは記事の中の画像やリンクを、引っ越し前のアドレスのまま覚えていることがあります。住所だけ変わったのに、案内図には古い住所が書いてある状態です。だから中身は移っていても、表示のときに古い場所を探しに行って崩れます。まず旧URLが残っていないかから見ると早いです。崩れていても元の家(旧サーバー)はまだ残っているので、消さずに落ち着いて直しましょう。

サーバー移行後の表示崩れを切り分ける手順

管理画面の名前や場所はサーバーごとに違いますが、確認する内容はおおむね共通しています。表で当たりをつけた原因から、上の順番で見ていくと絞り込みやすくなります。旧サーバーを残してあれば、ここから先の作業はどれも「いつでも元に戻せる」状態で試せますので、慌てず一つずつ進めてください。なお、どの作業の前にも、移行前のバックアップが手元にあるかだけは必ず確かめてください。

1. まずキャッシュを消して現状を確かめる

設定を触る前に、見えている画面が「今の本当の状態」かを確認します。古い表示がキャッシュに残っているだけのことがあるためです。

  • ブラウザのキャッシュを消す、またはシークレットウィンドウで開く
  • キャッシュ系プラグインを使っているなら、そのキャッシュを削除する
  • CDNを経由している場合は、CDN側のキャッシュも消す

これで直るなら、崩れていたのは表示の残像です。直らないなら、次の確認に進みます。

2. サイト内に残った旧URLを確認する

レイアウトが崩れてCSSが当たらない、画像が出ないという症状で最初に疑うのが、サイト内に残った古いアドレスです。WordPressは、記事内の画像や内部リンク、テーマの一部設定を、絶対URL(https://〜 から始まる完全なアドレス)でデータベースに保存していることがあります。

サーバーだけを移してドメインが同じ場合は起きにくいのですが、次のようなケースでは旧URLが残りがちです。

  • ドメインも一緒に変えた(旧ドメインのURLが本文や設定に残る)
  • 確認用URLで表示確認した内容を、そのまま保存してしまった
  • http:// で運用していたサイトを、移行を機に https:// へ変えた

まずは管理画面の「設定」で、サイトアドレス(サイトURL)が新しい本番の値になっているかを確認します。そのうえで、記事内に残った旧URLは、データベースのURLを一括で置き換えるツール(検索・置換系のプラグインなど)で直すのが一般的です。

確認

URLの一括置換をする前に

  • 必ず先にデータベースのバックアップを取る(置換は元に戻しにくい操作です)
  • 「旧URL」と「新URL」を正確に控えてから実行する(打ち間違いで全リンクが壊れます)
  • 使うプラグインやサーバー機能の公式マニュアルで、対象範囲を確認してから走らせる

3. httpsとhttpの混ざり(混在コンテンツ)を確認する

サイトは https:// で開けるのに、画像やデザインの一部だけ表示されない場合、ページ内に http:// のままのリンクが残っている可能性があります。安全な接続のページの中に安全でない読み込みが混ざると、ブラウザがその部分の読み込みを止めるためです。これを混在コンテンツと呼びます。

ブラウザのアドレスバーに鍵マークの警告が出ていないか、開発者ツールに「混在コンテンツ」の表示がないかを確認します。原因はステップ2と同じく、本文や設定に残った http:// のURLであることが多く、URLの置き換えで直ります。SSL証明書そのものが未発行で https 自体が開けない場合は、表示崩れとは別の問題です。証明書の確認手順は独自ドメインが反映されないときの確認手順で整理しています。

4. 個別記事が404になるならパーマリンクを見直す

トップページは正常なのに、個別記事や固定ページを開くと404(ページが見つからない)になる場合、原因の多くはパーマリンク(記事URLの作り方)に関わるリライト設定が新サーバーに反映されていないことです。

このタイプは、設定をいじらずに再保存するだけで直ることがよくあります。

  • 管理画面の「設定」内にあるパーマリンク設定の画面を開く
  • 設定内容は変えずに、そのまま保存し直す

保存し直すと、新しいサーバー向けのリライト設定が書き込まれ、個別ページが開けるようになる場合があります。それでも404が続くなら、サーバーの仕様(リライトを有効にする設定)が移行先で異なる可能性があるため、移行先の公式マニュアルを確認してください。

5. 白い画面や機能停止はPHPバージョンを疑う

ページが真っ白になる、特定のプラグインの画面だけ表示されない、エラーが出るといった症状は、表示の崩れというより動作のエラーです。移行先のサーバーで動いているPHP(WordPressを動かす土台のプログラム)のバージョンが、旧サーバーと違うことが原因になりやすい部分です。

  • 移行先の管理画面で、設定されているPHPバージョンを確認する
  • 利用中のテーマやプラグインが、そのバージョンに対応しているかを確認する
  • バージョンを切り替えられるサーバーなら、旧サーバーに近い対応バージョンに合わせて様子を見る

どのバージョンが適切かはテーマ・プラグイン側の対応状況によります。推測で上げ下げせず、各配布元の対応バージョンを確認してから調整してください。

6. 画像が出ないときはファイルの移行漏れを確認する

URLは正しいのに画像だけ表示されない場合、画像ファイル自体が移行先にコピーされていないことがあります。記事の文章やデザインは移っても、アップロードした画像フォルダの移行が一部抜けるケースです。

  • 移行先のファイルに、画像をためておくフォルダ(アップロード先)が存在するか
  • 旧サーバーと比べて、ファイルの数や容量が極端に少なくないか

抜けている場合は、バックアップから画像フォルダだけを追加でアップロードします。簡単移行機能を使った場合でも、大量の画像は取りこぼすことがあるため、移行後に一覧で確認しておくと安心です。

この記事の確認方針

  • 設定をいきなり触らず、症状から原因を当ててから動く順序で書いています
  • 旧サーバーという退路を残すことを前提に、元に戻せる手順として整理しています
  • URLの一括置換やPHP変更など、元に戻しにくい操作はバックアップ前提として書いています
  • 表示崩れ・SSL・ドメイン反映・ログイン不可を別の問題として確認できる構成にしています

最終確認:

退路(旧サーバー)の具体的な残し方

冒頭からくり返している「退路を残す」を、最後にもう少しだけ具体的にしておきます。表示崩れを確認している間、旧サーバーは次のような場面で役立ちます。

  • 「旧サーバーでは正しく表示されていたか」を見比べて、原因を切り分けられる
  • ファイルの移行漏れが見つかったとき、旧サーバーから取り直せる

そのため、解約の目安は「直ったとき」ではなく「すべて確認し終えたとき」と考えてください。具体的には、ドメイン切り替え後の反映を待ちつつ、表示・メール・フォームの動きをひととおり確かめられるまで、両方を並行で動かしておきます。料金の二重払いがもったいなく感じるかもしれませんが、数日から一週間ほどの重複は、やり直しのリスクに比べればずっと安い保険です。移行全体の進め方はレンタルサーバーの乗り換え手順で5ステップに整理しています。

どうしても直らないとき

一通り確認しても直らない場合は、設定を触り続けるより、移行先サーバーのサポートへ相談したほうが早いことがあります。問い合わせるときは、次をそろえると状況を伝えやすくなります。

  • 対象のドメイン名と、表示が崩れているページのURL
  • 移行に使った方法(簡単移行機能か手動か)
  • 崩れている症状(レイアウト崩れ・画像なし・404・白い画面など)
  • ブラウザに表示されるエラーメッセージ
  • すでに試した確認(キャッシュ削除・URL置換・パーマリンク再保存など)

パスワードや認証コードは送らないでください。画面を共有するときも、アカウント情報が写り込んでいないか確認します。管理画面そのものに入れない場合は、表示崩れより先にWordPressにログインできないときの確認手順を確認してください。

よくある質問

サーバーを移したらデザインだけ崩れました。データは消えたのですか?

文章や画像のデータは移っていて、表示だけ崩れていることがほとんどです。サイト内に引っ越し前のURLが残っていると、デザイン(CSS)や画像を古い場所に探しに行って崩れます。データベースのバックアップを取ったうえで、サイトURLの設定と本文内の旧URLを確認してください。

トップページは見えるのに、個別の記事だけ404になります。

パーマリンク(記事URLの作り方)に関わる設定が、移行先に反映されていない可能性が高いです。管理画面のパーマリンク設定を、内容を変えずに保存し直すと直ることがあります。それでも続く場合は、移行先サーバーのリライト設定の扱いを公式マニュアルで確認してください。

httpsで開くと画像の一部が表示されません。

ページ内に http のままのリンクが残り、安全な接続の中で読み込みがブロックされる「混在コンテンツ」が原因のことがあります。本文や設定に残った http のURLを https へ置き換えると直る場合が多いです。https そのものが開けないときは、SSL証明書側の問題なので別に確認します。

移行直後は崩れていましたが、しばらくしたら直りました。なぜですか?

ドメイン切り替え後の反映待ちや、キャッシュに古い表示が残っていた可能性があります。別の回線や端末で見たり、キャッシュを消したりすると、実際の状態を確認できます。直ったあとも、念のため複数のページを一通り見ておくと安心です。

確認用URLでは崩れますが、本番に切り替えても大丈夫でしょうか。

確認用URLは一時的なアドレスのため、URLの不一致で崩れて見えることがあります。本番ドメインに切り替えると直る場合がありますが、念のため切り替え前に旧サーバーを残し、切り替え後にトップ・記事・画像・フォームを確認してから判断してください。

まとめ

サーバー移行後の表示崩れは、データが消えたわけではなく、表示に必要な情報の一部がうまく引き継げていないだけ、というケースがほとんどです。だからこそ、いきなり設定を触るより、まず症状を見て原因の見当をつけるほうが近道になります。レイアウトが崩れるならサイト内の旧URLとhttpsの混在、個別記事の404ならパーマリンクの再保存、白い画面ならPHPバージョン、画像なしならファイルの移行漏れ。このように、症状から順に原因をたどっていけば絞り込めます。

そして何より、直し終えるまで旧サーバーという退路を残しておくこと。これが移行後のトラブルでいちばん効く備えです。見比べもデータの取り直しもできるので、どんな崩れも落ち着いて戻せます。URLの一括置換やPHPの変更は元に戻しにくい操作なので、その前にバックアップを取ることだけは忘れないでください。

自分に合うWebサイトの始め方を診断する

次に読む